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米憲法修正第二条 1

(《フロリダの二人 4》からの続き)


米国憲法修正第二条によって、自分を守ろうという動きが黒人の間にあるようです。
《https://www.blackagendareport.com/black-radical-defense-second-amendment》


修正第二条による急進的黒人防衛

パトリック D. アンダースン 2018年(平成30年)3月7日

米憲法修正第二条 1_d0364262_21250176.jpg
『黒人共同体は、火器の個人所有を自己防衛組織体制と区別してきた。』

トランプが大統領に就任して以来、自分で武装する黒人が増えています。これは、特に武装して自衛《armed self-defense》という長い黒人の急進的な伝統に根ざし、ロバート F ウィリアムズの「銃を持った黒人」にはっきりと述べられています。
「インターセプト」のジェレミー スケーヒルとの最近のインタビュー《recent interview》で、歴史家ロクサンヌ ダンバー-オーティズが修正第二条は『廃止されるべき』と論じています。
しかし、廃止してもダンバー-オーティズが望むように右翼自警団が武装を解くだけでなく、黒人も解くことになるでしょう。

ダンバー-オーティズの新しい本「装填:修正第二条の無害化の歴史」の中で、彼女は米国の『銃文化』は拡張論者・資本家・開拓植民者・白人至上主義者の帝国としての国の歴史に根ざしている、と説得力を持って論じ《convincingly argues》ています。
18世紀・19世紀の白人の植民地開拓者は、盗んだ土地に住んで盗まれた労働力に頼って生きていました。その間、植民地開拓者は自分たちの略奪と利用に敵対するその土地固有の人々(奴隷化された)から、自分たちが横領したものを守らなければならなかった。

この文脈から分かるように、ダンバー-オーティズは、修正第二条は植民地化された土地固有の人々に対抗して、自ら武装する白人男性の権利と義務を具体化する意図があったことは明らか、と結論を出したのです。
米帝国の人種差別と植民地の歴史を理解すれば、すぐにダンバー-オーティズの歴史分析に同意できます。

『ダンバー-オーティズは、黒人の武装自己防衛の歴史を歴史のゴミ箱に捨てている。』

しかし、ダーバン-オーティズは、修正第二条が米国の軍国主義文化のうわべだけの正当性を作り出しているので、廃止されるべきと論じています。軍国主義文化は北米の欧州人による開拓植民地主義の暴力的・人種差別主義的な名残です。
白人男性は人数に不釣り合いな数の銃を持っており、同じく不釣り合いな数の大量射殺(その被害者は、しばしば、米国の植民地政策が続いているかのようなような人種差別された人々)を犯していますから、ダンバー-オーティズは、これら大量射殺を認めてしまう法の保護と憲法の根拠を白人男性から剥ぎ取るために、修正第二条を廃止することを主張しています。

私は、大量射殺と白人の人種テロリズムを終わらせる作戦を立てるべきだ、ということに賛成です。しかしこのように議論を組み立てて、ダンバー-オーティズは、黒人の武装自己防衛の歴史を歴史のゴミ箱に捨てています。
黒人の急進的伝統のこの側面を無視することで、ダンバー-オーティズはNRA(全米ライフル協会)が望むことを承認しています。すなわち、火器についての社会での論説を独占すること、です。

自己防衛のために銃を所有することをNRAが強調するのは、わずか1977年(昭和52年)に遡ってのこと《goes back only to 1977》ですが、黒人の武装自己防衛の伝統は少なくとも1962年(昭和37年)のロバート F ウィリアムズの本「銃を持つ黒人」《book》まで遡ります。
ベトナム戦争の従軍兵でありモンローの支部長(NAACPのノース カロライナ支部)として、ウィリアムズは1950年(昭和25年)代後半の人種差別主義者の高波が押し寄せた時にモンローの黒人が自分を守るのを助けるために、銃クラブを組織しました。
モンローの黒人たちが銃を持つ前には、KKKと警察が例によって黒人に嫌がらせ・脅し・暴力をしかけてきた。それはしばしば面白がってである。
一つの例としては、公園で昼食を食べていた黒人が白人に銃撃されたところを、警官が目撃していながら何もしなかったことがあげられる。

注1 モンローはノース カロライナ州ユニオン郡の都市。郡庁所在地。2010年(平成22年)人口約三万三千人。
1860年(万延元年)国勢調査によれば州人口は99万人、このうち33万人以上、33%が奴隷のアフリカ系アメリカ人だった。
ノース カロライナ州は南北戦争で南部連合に属した。

注2 NAACPは全米有色人種地位向上協会。


(《米憲法修正第二条 2》へ続く)

by ymmatheb | 2018-03-13 18:34 | BAR | Trackback | Comments(0)

わからないことを理解できるまで追求します。数学と合唱ではできるまで。


by 九天
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