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世界の軍事力 「ロシア」3

(《世界の軍事力 「ロシア」2》からの続き)


私は、ワシントン(米国政府)によって高められた緊張がロシア外交によって終わらせられるよう、希望しています。
しかし、ロシア外交は二つのおそらく越え難い障害に直面しています。
一番目の障害は、肥大化した米国の軍・安全保障複合体には、一兆ドルの年間予算を使う軍事力を正当化するための、敵が必要な事です。
二番目の障害は、米国の世界覇権というネオコンのイデオロギーです。

軍・安全保障複合体は、米国の全ての州で制度化されています。
複合体は各州の地域において人々を雇用しており、主要な政治活動の拠り所になっています。つまり、上院議員・下院議員が複合体の利益に反する行動を取るのは、ほとんど不可能でしょう。
米国外交政策界では、正気を失ったネオコンに対抗する勢力はまだ現れていません。
ネオコンが作り出した対露恐怖症は、今や普通の米国人に感染しています。
トランプ大統領に対露関係の正常化をさせないために、上の二つの障害が十分効いたことが証明されました。

多分、次の演説で、プーチンは欧州人に直接呼びかけるはずです。欧州の利益は、ワシントン(米国政府)の対露敵対を許すことで、どうして得られるのか、と。
戦争が起きたとき、米ABM・米核兵器・米軍事基地が置かれた国は、破壊を逃れられると期待できるのでしょうか?

NATOとその中の前衛基地なしで、ワシントン(米国政府)は世界を戦争に押しやれません。
問題の基本的事実として、NATOは平和への障害だということです。

注1 NATOはWikiの地図で
世界の軍事力 「ロシア」3_d0364262_14451714.jpg
注2 ネオコンはネオコンサバティブ neoconservative です。
米国のネオコンという勢力は、1930年(昭和5年)代に反スターリン主義左翼として活動した後に、「ニューヨーク知識人」と呼ばれるトロツキストたちによるグループである。ニューヨーク市立大学シティカレッジ(CCNY)を根拠地として活躍していたが、米国の消極的な対外政策に失望したグループである。
民主主義、ひいては自由主義の覇権を唱え、独裁国家の陥落を外交政策の目的におく、という極めて革新的な思想および外交政策を標榜する。
中東においては、唯一の近代民主国家であるイスラエルを基盤に、周辺の独裁国家を滅ぼすことが中東問題の解決である、と主張する。

1970年(昭和45年)代に相次いで民主党を離れ共和党に向かい、第一期レーガン政権で台頭し、主に外交や軍事の分野で強い影響力を持った。レーガン大統領はネオコンのカークパトリックを外交顧問に指名し、ソビエト連邦を「悪の帝国」と呼び、限定核戦争を採用し、SDI構想など軍備増強を進めた。
しかし、二期目のレーガン政権は柔軟姿勢に転換し、カークパトリックらネオコンは事実上追放された。(Wiki)

(「ロシア」終わり)




by ymmatheb | 2018-03-08 19:33 | ポール・クレイグ・ロバーツ | Trackback | Comments(0)

わからないことを理解できるまで追求します。数学と合唱ではできるまで。


by 九天
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