トランプの『主権』は無法である(オバマと同じ) 3
2017年 09月 25日
『911以来、政権交代は米国の熱心な運動に高められた、「対テロ戦争」のボロで覆い隠されて。』
トランプの世界の見方に目新しいことは全くないーー国際的な公衆の前でこのような
むき出しの言葉で米国の『例外主義』を述べたこと以外は。ほとんど全ての国際会議で
原則に対してリップ・サービスをするにもかかわらず、UN設立以降のバラク・オバマ以下
全ての米国大統領は、実のところ国際法を無視してきた。米国の帝国主義は、いかなる
そしてあらゆる手段をとっても、世界を支配するつもりである。
これは秘密ではない;米国の指導者は、少なくとも四分の三世紀の間、
『アメリカの世紀』と告げてきた。
政権交代は米国の外交政策実行における原則である;ウィリアム・ブルムは
第二次世界大戦以来ターゲットにした政府を、米国が転覆させようとしたり、
うまく転覆させることができた(政権交代が成功した)五十七の場合を
列挙している。
https://williamblum.org/essays/read/overthrowing-other-peoples-governments-the-master-list
ビル・クリントン、ジョージ・ブッシュ、バラク・オバマは国際法の別バージョンを
一緒になって展開してきた。それは、ターゲットにされた国の国家主権への米国の侵害を
正当化するためのもので、『保護の責任』(R2P)と呼ばれた。
911以来、政権交代は米国の熱心な運動に高められた、『対テロ戦争』のボロで
覆い隠されて。
2011年にオバマは平然とリビア政府を転覆させ、次にオバマはシリアに対する不正な
政権交代のための戦争を始め、2015年にはロシアの軍事行動を結局引き起こした。
UNの一般総会で、ウラジーミル・プーチン大統領は世界の組織について語った。
https://www.washingtonpost.com/news/worldviews/wp/2015/09/28/read-putins-u-n-general-assembly-speech/?utm_term=.99dbe99178fe
『侵略的な外国干渉は臆面もなく、国家組織と国民生活自体を破壊し去った。
民主主義と進歩が勝利した代わりに、暴力・貧困・社会的な大惨事が引き起こされた。
生きる権利も含めた人間の権利を、誰も全く気にかけていない。』
『この事態を引き起こした人々に、あなたたちがしでかしたことを、今、あなたたちは
分かっているのか? と私はどうしても問いかけたい。』
オバマがしたことは、主権を持った政府に米国が不法な戦争を仕掛けるための、
軍事資産としてアルカイダを組み入れることだった。プーチンは、シリアの
(トルコとの)国境地域にISISが持つ油田から『水平線まで』延びるタンカー船団の
ことを指摘した。この上空は米国空軍がパトロールしているが、傍観していた。
ロシアは、シリアの主権を持つ政府からの要請によって、完全に合法的に軍を
介入させた。シリア政府は、ジハード主義者のテロを後退させるUNの
良きメンバーであるー米国が抱き込んだ国とは逆にー。
プーチンは、国際的法秩序が『例外主義者』米国によって完全に破壊されてしまう
ところを救った、と歴史はやがて判定するだろう。
注 1 Responsibility to Protect の略が R2P である。
注 2 アルカイダはイスラム主義を掲げるスンニ派を主体としたテロ組織。
1990年代以降、米国を標的としたテロを実行したとされ、911も実行したと
される。
注 3 ジハード主義者はジハーディスト。ジハードはイスラームにおいて本来
『奮闘努力』を指す。コーランには『異教徒との戦い』を指すのにも使われ
ており、これから『聖戦』(外部へのジハード)の意に転じている。
by ymmatheb
| 2017-09-25 15:10
| グレン・フォード
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