引き続いて米戦力を考察する 3
2017年 11月 11日
(《引き続いて米戦力を考察する 2》からの続き)
本質:米国の核は、他の核保有国に対する抑止力としてだけ役に立ちます。
ロシアも支那も米国への先制攻撃を今まで考えたことはないので、米国の核はほとんど完全に役立たずと言えるでしょう(私がほとんどと言うのは、現実世界で米国は他国の精神的健全さと好意を単純に当てにはできないからです;そう、現実に、米国の核兵器の蓄えは本当に米国家安全保障の不可欠な成分です)。
米海軍は海洋と戦略的ネックを支配していますが、重要ではなくなりつつあり、特に局地戦争ではそうです。さらに、依然として米海軍は頑なに空母中心ですが、戦略的構想が遠い後ろの第二列で官僚的慣習的硬直性で示されるだけになっています。
米陸軍は、小さな戦争(パナマ、多分ベネズエラも)ではっきりしたように、特殊作戦と海兵隊を支援する存在になっています。しかし、米陸軍は大きな戦争にはまったく適合しません。
米国以外のどこでも侵攻できるように金(カネ)を使って、何か引き合うのでしょうか?
実際、引き合わないでしょう。
第一にそのほとんどの金は軍産複合体に寄生するあらゆる階層のポケットを潤すのに使われます。
米国に比べたらウクライナ軍ですら『控えめな腐敗』にしか見えないと言う、決して触れられない現実があります。
【補足:何故、米国には17もの諜報機関《http://www.latimes.com/nation/la-na-17-intelligence-agencies-20170112-story.html》が必要なのでしょう?他の国では普通2〜5だと言うのに。】
例えば、フランスの兵器体系(ラファル(戦闘機)やルクレルMBT(主力戦車))は米国の対応する体系よりも良くて安いのです。
《https://en.wikipedia.org/wiki/Offset_agreement》
ロシアの軍事予算は、米国の軍事予算と比べては少ないです。
しかしロシアは支払った以上のものを得ています。
《https://journal-neo.org/2016/10/30/more-bang-for-the-buck/》
《https://www.globalresearch.ca/the-wrong-kind-of-victory-is-the-us-more-powerful-militarily/5515387》
ロシアは米国よりも腐敗していません。
シリアでの米空軍とロシア空軍の運用状況の比較なども参考になります。
まとめると:米軍は量的にトップを行くが、質的にはロシア軍にすでに遅れをとっています。そして日に日にますます後退して行っています。
米軍の司令官たちはこのことを知っているのでしょうか?
もちろん知っています。
しかし、トランプが米軍の深刻な問題に気づいたとき、トランプに何ができるでしょうか?
米軍の真の問題についてあからさまに話せば、腐敗した組織を立て直すことよりももっと、人生を終わらせる実験をすることになるでしょう。
(《引き続いて米戦力を考察する 4》へ続く)
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ここまで読んで、《ある光景》のトランプの演説を見直すと、複雑な気持ちになります。慣性の法則はどこまで真なのでしょうか。
ローマ帝国も滅びました。何故滅びたのかといえば、武力で服従させられなくなったからでしょう。
米帝国も滅びることは免れないのでしょうか。武力の真空地帯は古来存在したことはないです。チベットを見れば分かります。
米帝国が滅びるか縮小したとき、ニホンは自分の武力ですかさず守る暇があるでしょうか。
by ymmatheb
| 2017-11-11 21:44
| ポール・クレイグ・ロバーツ
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