ワシントンは米国のパワーを削いでいる
2017年 10月 30日
ワシントンは米国のパワーを削いでいる
ポール・クレイグ・ロバーツ
2017年(平成29年)10月16日
米国と世界中の読者の皆さんが、支那がこれからは原油購入・販売を金(ゴールド)に裏付けられた支那通貨で行うように進める、と発表したのはどうしてなのかを知りたがっています。
これはロシア・支那による米ドルへの攻撃なのでしょうか?
ドルは、原油取引の通貨としては捨てられて、弱くなり潰れてゆくのでしょうか?
他の疑問と合わせて、これらの疑問が読者の皆さんの心中にあるようです。
私の意見を以下に述べます:
中央銀行・企業・個人のどこかによって米ドルの価値は変わるが、ドルで資産や財産を持っていることに満足していることがドルの価値なのです。
この際、どの通貨が原油取引に使われるかは、関係ないのです。
しかしドルの価値がそうでないならば、すべての原油がドルで取引される時だけ、関係ないのです。
何故でしょうか?
中央銀行・企業・個人がドルを持っていたいと思わなければ、取引が終わればすぐにドルを見限って別の通貨や金に代えるでしょう。
支那は持っていたいと思わせるようなより魅力的な通貨を作りたいのです。
金に裏付けられた支那の通貨が米国のパワーに対して行動を起こすことはあり得ます。しかし私は違う見方をとります。
私はそれを米国のパワーからの防護として見ています。
支那とロシアはドル体制から離れたがっています、というのは世界通貨機能を乱用するワシントンが、他国に制裁を課して脅すために他国を決済システムから排除するのにドル決済機構を使うからです。
言い換えれば、ワシントンは公正にシステムを運用しないで、他国を支配するために世界通貨機能を使っているのです。
他の国々が付いて行くならば、ドルは米国が世界の国々を支配する道具ではなくなるでしょう。
別の言い方を探しましょう、ブレトン ウッズは世界金融システムについての責任をワシントンに与えました。
ワシントンは他国を不安定にするためにドルシステムを使うことによって任されたパワーを乱用しました。例えば今のベネズエラに対してのように。
米国の財政・財界の利益と、海外そして他国の内政に対するワシントンのパワーは世界準備通貨としてのドルの機能を消去する力を発揮しだしました。
ワシントンの傲慢さと横柄さが米国のパワーを壊しています。
元の記事:https://www.paulcraigroberts.org/2017/10/16/washington-destroying-american-power/
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米財務省の高官だったポール・クレイグ・ロバーツの見解です。基本的に愛国者なのですね。
大東亜戦争前に日本が米国から受けた経済制裁、そして今はベネズエラ・中東・北朝鮮と米国は同じことを繰り返しているのですね。
by ymmatheb
| 2017-10-30 15:10
| ポール・クレイグ・ロバーツ
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