トランプとアメリカのファシストである先祖 2
2017年 09月 16日
トランプとアメリカのファシストである先祖 1 からの続き
『奴隷制生産システムのすさまじい利益が、米国をグローバル経済パワーにした。』
1857年に、トーニーが判決を下した時、全米の奴隷の価値は、国境の内側にある土地を
除いた国全体の資産、よりも大きいとしたーー土地自体が先住民から盗んだものだが
ーー、そして奴隷労働なしでは土地のほとんどは無価値であるとした。奴隷制生産システ
ムのすさまじい利益が、米国をグローバル経済パワーーーイギリスに次ぐ地球上第二
の大産業パワーーーにした、ここで米国のグローバル化する圧倒的な力を推進したのは
米国の奴隷が生産する綿花であった。捕らわれの黒人たちを容赦なくしぼりあげるところ
をずっと見ていて、エドワード・バプティストは「半分しか語られなかった:奴隷制度と
アメリカ資本主義の発展」の中で、『米国は、産業革命の鍵となる原料である綿花の
世界市場をコントロールするようになった、そして世界的影響力を有する豊かな国に
なった。』と書いた。
米国の帝国主義は、奴隷制度のほしいままの拡張政策に根ざしている。ジョージ・
ワシントンは、新しい国を『立ち上がる帝国』と構想した。
http://humanevents.com/2011/11/08/why-george-washington-could-give-three-cheers-for-the-british-empire/
ジェファーソンは、『自由の帝国』ーーこの自由とは、奴隷の労働(と性的搾取)
によって彼が享受できる自由のことーーについて語った。白人至上主義者は、新しい国
のあらゆる強欲を法制化した。モンロー主義は、西半球を支配する排他的な
米国の権利を主張したーー西半球には劣った『混血』人種が住むとされたーー、
『例外主義』のワシントンでは、地球全体へ拡張していくのだ、と今は主張されている。
注 1 18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命では、綿織り物の生産工程での
変革も重要な変革である。
注 2 モンロー主義は、第五代大統領モンローが1823年の年次教書で発表した。
その後の米国外交の基本政策。
注 3 米国が国々の中でも例外的な立場にあるとする例外主義は、1890年代、共和党が
言い、北アメリカの外に米国が拡張していく理論的正当化に使われた。1898年には
米国はハワイを併合、ハワイ準州とした。
『米国の帝国主義は、奴隷制度のほしいままの拡張政策に根ざしている。』
ナチという新種も含むファシズムは、ヨーロッパ社会のある珍しい病弊ではない。
黒人のレコンストラクションが潰れた後、南部諸州は世界初の完全人種統制社会を、
根本的なところから始まって、作り出した。『ジム・クロウ』は、アーリヤ人至上主義
の下での国家建設というアドルフ・ヒトラーの理想像(ジェームズ・Q・ホィットマン
の最近の本に記録されているように、ヒトラーはアメリカに範をとった)を生み出した。
アメリカのファシズムは、ヨーロッパの新種のファシズムに先行しており、しかも長く
続いた。一般に認められているように、ファシスト国家は以下のうちのどれかで
特徴付けられる:
・極端な国家主義
・常習的に暴徒支配に頼る
・組織原理として内部の『他者』を抑圧
・軍国主義
・中産階級の最も反動的な部分が政治的に優越
レコンストラクションの死と公民権運動の勝利の間のほぼ一世紀の間、
米国南部の州はこれらのすべての特徴を備えていた。さらに、レコンストラクション後
の南北の和解によって、南部のファシズムモデルがより広くアメリカの政治経済に刻み
こまれることとなった。1960年代の余波の中で、一体化した二党による選挙独占の
片割れである共和党は、白人男性の党ーーアメリカ固有のファシズムのより純粋な党ーー
の役割を果たすことになった。
注 1 レコンストラクションは南北戦争による南部連合国と奴隷制の崩壊後、南部諸州
の合衆国復帰等を連邦政府が進めた1863-1877の期間。
しかし解放された自由黒人の法的経済的体制での恒久的な平等の実現には失敗。
南部の州では有色人種隔離(ジム・クロウ法)が始められた。
注 2 ジム・クロウ法は黒人、黄色人種などの一般公共施設の利用を禁止制限する、
1876-1964に存在した南部諸州の州法。
注 3 公民権運動は、1950年代から60年代にかけて、黒人が公民権の適用と人種差別解消
を求めた大衆運動。
by ymmatheb
| 2017-09-16 06:50
| グレン・フォード
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